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理学療法士さんの体験談

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Mikiさん

​渡航都市:ゴールドコースト

コース:Diploma of Remedial Massage​

​学校:Massage Schools of Queensland、他2校

日本では理学療法士として長年従事されていたMikiさんから、オーストラリアでの新しいキャリアについて体験談をいただきました。オーストラリアではフィットネスコーチ資格、マッサージ資格を取得し、夢に向かって着々と進んでいます。

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●Mikiさんが受講されたDiploma of Remedial Massage Therapyコースとはどんなコースですか?

 

リメディアルマッサージとは、文字通りリメディアルなので治療のマッサージです。オーストラリアでは、理学療法士やオステオパシー、カイロプラクターと同様のクリニックに所属することもあり、医療の一部としてみなされています。その為、クライアントの方はプライベートの医療保険が使えます。

日本のマッサージは服を着用して行うドライマッサージが主流ですが、リメディアルマッサージでは、直に肌に触れて行うオイルマッサージとなっています。オーストラリアを含め欧米ではオイルマッサージが主流の様です。

 

・学ぶ内容

座学では、解剖学や生理学といった医療に関わるベーシックな内容を学びます。それに加えて、セラピストとして重要な筋肉がどこについているか、どんな役割をするかも学びます。わたしは、もともと理学療法士だった為、そういったバックグラウンドがある方には内容は少し浅く感じると思います。

実技では、学校によって練習スタイルは異なります。最初は、基本のリラクゼーションマッサージを習います。そこからリメディアルのテクニックの一部であるディープティシューやトリガーポイントなどを学びます。また、姿勢評価だったり、理学療法士で使用される整形外科テストというどこの筋肉や靭帯が問題なのかといった評価方法も学びます。学校により講師や教え方のスキルに差があります。

学校では基本を取得できますが、勉強の継続や、外部の勉強会などに出てスキルアップを目指す事が必要です。

 

・実習について

学校にスチューデントクリニックがあるので、そこでリラクゼーションとリメディアルマッサージ合計200時間コンプリートする必要があります。マッサージ以外にも、マッサージする前の準備や予約管理などの受付も自分達でしなければならないので、セラピストとしてお店で働くにあたりいい経験になると思います。

 

●クラスメイトはどんな方たちがいましたか?

学校や入学時期によって、クラスメイトの国籍は大きく異なると思います。

マッサージのコースは年齢層は20代から40代と幅が広かったです。全くマッサージの経験がない方もいますし、すでにアジア系マッサージで働いている方、後は私の様に自分の国で理学療法士など医療従事者のバックグラウンドを持つ方など様々です。

●理学療法士の資格をお持ちのMikiさん目線で、理学療法士と、Remedial Massage therapistの違いを教えてください

・施術の違い

日本の理学療法士では、医師から診断された内容にフォーカスして、例えば肩関節炎であれば20分か40分の短い時間で可動域改善と運動療法といったエクササイズ指導が中心です。

リメディアルマッサージでは、医師からの依頼がなくクライアントが記入してくれたフォームと実際にその場ですぐに姿勢評価とクライアントの要望に合わせて自分でトリートメントを考えます。理学療法士の時は、色々な身体機能を評価して、実際に数値化するのに計測等細かく行い、そこから問題点を抽出していましたが、リメディアルマッサージではクライアントは60分のマッサージなら60分の全てをマッサージとして受けたいので、短いアセスメントで問題点をあげるのが難しいと感じています。理学療法士で働いていた時は、マッサージをすることはほとんどなく、私にとってこのリメディアルマッサージは全く新しい技術でした。最初は、指や手を使いすぎてよく痛めていました。今は肘をうまく使えるようになり、また身体の使い方も覚えてきた為、自分自身の身体を痛めることは減りました。

•オーストラリアならではの施術や学び

わたしは、今までスピリチュアルに全く興味がなく、あまり信じていませんでした。しかし、オーストラリアでマッサージを習って、先生から言われたことがマッサージは直にセラピストの身体とクライアントの身体がコンタクトをして、相互にエネルギーを受け取りあってると言われました。その為、施術はエネルギーが途絶えない様になるべく身体は常にコンタクトする様にと教わりました。最初はあまり信じていませんでしたが、本当に自分の感情がクライアントに伝わり、緊張していればその緊張を感じ取られますし、この人を良くしようと思えばその思いがクライアントにも伝わることをいくつかの経験から実感しました。

●日本とオーストラリアのクライアントさんの違い(体格、対応方法、アドバイスの違い)などもあったら教えてください。

 

体格や筋肉の付き方は圧倒的にアジア系と西洋系の方では違います。とても筋肉が硬いや背が高い方は、本当に大変です。なので、私自身負けないように体力維持のためランニングをしたり、筋トレをするようにしています。あとは、オイルマッサージが主流ですが、クライアントの方に合わせてドライマッサージとオイルマッサージを組み合わせて施術を行っています。

オーストラリア人の方は、本当に良いセラピストを見つけたら信頼してくれて、リピートしてくれる方が多いです。そこから、口コミで広げてくれるので、家族だったり、職場の方だったり、紹介伝えで来店してくれる方が増えます。

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●セラピストとして働く場所について

 

マッサージで働く場所は、慎重に探した方が良いです。オーストラリアには、数え切れないほどのマッサージのお店がたくさんあります。全く経験のないセラピストがいるお店からクリニックなどきちんと医療として提供している場所など様々です。施術では基本的にアンダーウェアのみ着用でオイルマッサージを行うので、場所によってセクシュアルを目的として行ってる場所もあります。そういう場所は、たいてい夜中までお店がオープンしていたり、お店の内装が見えなかったりしているので注意が必要です。安全な場所としては、ショッピングセンターに入っているマッサージのお店はDiplomaの資格を所得していなくても、トレーニングをしてくれ雇ってくれるところが多いと思います。格式の高いスパや理学療法士がいるクリニックなどでは、Diploma保持者でありかつ経験がなければ仕事を得るのはなかなか難しい印象です。

私は、Certification 4を取ってすぐに日本人が経営しているリメディアルマッサージクリニックで働き始めました。リメディアルマッサージ資格が取れるまでは、ディープティシューとリラクゼーションの施術を行っていました。規模は小さく、目立ちにくいところにあるので、クライアントを最初とるのに時間がかかりました。しかし、最近は少しずつリピーターの方が増えて来てくれています。クライアントには、肩こりや腰痛の方がメインで多いですが、私のクリニックには大学のセミプロでラグビーをやってる方、ゴールドコーストマラソンに向けたメンテナンスをしたい方、AFLのゴールドコーストサンズの選手の方など様々なスポーツをしてくれる方が来ているので、私のやりたいスポーツマッサージに関わることが出来ています。

学校で学ぶ事は、本当に基礎的な部分でしかないので自主学習や勉強会への参加は必要です。私の場合は、オーナーを含めた3名のオールドセラピストの方が10年以上のキャリアがある為、勉強会を開いてもらったり、施術の相談をしたりしています。また、自分でも筋膜リリースやスポーツマッサージなど外部の勉強会に積極的に参加してスキルアップする様に心がけています。

 

 

●今後について

今後は、今のクリニックで働きつつ、自分がやりたかったスポーツチームにセラピストとしてアプライしようと思っています。自分自身がバスケットボールを学生時代にやって来て、それを機に理学療法士になりスポーツに関わりたかったのですが、日本では実現せず。あくまでも、私の意見ですが、日本は色々と資格重視な事や、スキルの質の高さが追求されなかなかスポーツ業界に理学療法士として飛び込むのは難しい印象です。しかし、オーストラリアではキャリアチェンジをする方が多く、全く違うことをやっていて、今はスポーツアスリートをマッサージセラピストとしてサポートしているという方がたくさんいらっしゃいます。実際に、私のオーナーや知り合いがそうで、オーストラリアンフットボール(オーストラリアの国技)のゴールドコーストサンズのプロチームにマッサージをしていました。その方達曰く、行動力とやる気があればそういった機会を得る事ができるのがオーストラリアと言われました。その言葉を信じて、私もオーストラリアでリメディアルマッサージセラピストとして今度こそ長年の夢だったスポーツ選手をサポートしていきたいです。

​\Mikiさん、貴重な体験談ありがとうございます/

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Diplomaコースを終了した後は、保険医療が提供できるセラピストとして働くことができます。

​理学療法士としての経験を活かしつつ、新しく習得したスキルを活用して素晴らしいセラピストになることと思います。今後の活躍を楽しみにしています。

Acupressure Neck Massage
Image by Toa Heftiba
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